スパロボ学園

ジャンル=シミュレーション 機種=ニンテンドーDS
オススメ度 ☆☆


管理人レビュー

男子生徒「僕は注意しただけなのに…」

 本来のスパロボはゲームオリジナルキャラクター&ユニットが歴代キャラクター&ユニットたちと力を合わせての共闘となりますが、本作ではスパロボはゲームオリジナルキャラクターの世界の架空の存在であり、シュミレーターバトルで使用する形になっています(カードゲームのようなもの)。

 メインストーリーはスパロボ学園に転校してきた主人公(佐伯)がスパロボバトルで数々のライバルと戦い、学園内で起きる怪奇現象を解決していくというのが大まかな流れになっています。ストーリー自体は短く、バトルに慣れてしまえ少ない時間でクリアーできます。
 学園内での全ての「もめごと」はスパロボバトルで解決するため、謝れば済む時でも、人命がかかってる時でも、バトルをする必要がなさそうな時など、どんな場合でもスパロボバトルに発展し、勝者が絶対の存在になります。
 例として主人公が購買部の列に無理やり割り込んだのを注意した男子生徒に逆上してスパロボバトルを仕掛け、勝利し逆に列から追い出すというやや理不尽な展開も見られました(冒頭文はこのこと)。

 ゲームオリジナルキャラクターは主人公を含め12名登場し、男性3名に対し女性9名。キャラクターのグラフィックもキレイで、特に各女性キャラクターのカットインはスパロボというより…別のゲーム…かと思いました。ストーリーの基本は上記の通りですが、最終的には主人公を女性キャラクター全員が取り合う恋愛ゲームのような展開になります(ラスボスも含めて)
 主人公は校長先生に対しても敬語の使えない問題児でしたが、性格がシンプルで結構、好感が持てました。女性キャラでは東雲や魅門(ラスボス)がお気に入りのキャラでした。

 登場作品はシリーズ最多の33作品となっていますが、1作品中ユニットが1体しか出ない作品もあり、思ったほどユニットは多くなかったです。そんな中でもスーパーロボット大戦Kに登場したユニットは登場数が多く優遇されていました。本作でのオリジナルユニットは登場しません。
 各ユニットのキャラクターは固定で乗換えなどはできません。作品中に乗り換えのある機体は、後に登場した機体にあらかじめ乗っています。

 バトルは本作オリジナルの2対2のスパロボバトルで、各ユニットにAP(アクションポイント)と呼ばれる行動順を決める数値が新たに登場しています。また、本作のバトルに対応して一部の精神コマンドの効果が変更されています。
 バトル自体はそれなりに面白かったのですが、テンポが悪く毎回出てくるウィンドウのカシャカシャ音が鬱陶しかったです(ちなみにアニメーションオフでもウィンドウは消えません)。

 各ユニットには1〜6のコストが割り当てられ、合計15になるように小隊を組む必要があります。このため普段使用しないユニットでも活路が見出せそうですが、本作ではキャラクターのレベルやユニットや武器の改造が廃止されているため、同コスト内でも機体性能や特殊能力の差が露骨に出ています。

 MAPはスパロボ学園を自由に移動可能ですが、全体が繋がっているわけではなく、各場所ごとに切り替えで移動する形になります。イベント時に次に移動する場所は表示され迷うことはありません。教室、購買部、保健室、体育館、生徒会長室、旧校舎、裏山などといろいろな場所には行けますが、それぞれ特定の人間に近づくと強制戦闘になる仕様が嫌でした。

 CPU戦での攻略として有効な手段として先制を取り「再動」→「自爆」の自爆デッキや海へ引きずり込みデッキなどが有効です。また、CPUは「ひらめき」や「不屈」を多用するので「直撃」を持ったキャラクターも有効です。

 難易度としては普通ぐらいでしょうか。中盤以降でのイベント戦闘では敵もコストオーバーのデッキで挑んでくるので、こちらもより強力なユニットで戦うといいでしょう。特にラスボスに該当する魅門はコスト20デッキのため苦戦し、何度もリセットしました。ゾイドバトルコロシアムほどではありませんが、ターン開始時の作戦で勝敗が左右されるので運の要素も強いです。

 全体としてはバトルテンポや登場ユニット数などを改善してもらればもっと楽しめる内容になったのではないか思いました。


ゲオルグ「バイオ装甲をなめるな!」

…忘れるところでしたがゾイドネタ。一応、ゾイドが登場しているのでレビューしていますが、正直な話、本ゲームにゾイドが登場してもしなくてもストーリーには全く影響がありません(全参戦作品に言えることですが)。本作でのゾイドはオリジナル主人公が操るチェスのコマ程度の存在です。

 登場ゾイドスパロボKに登場したジェネシスゾイド。討伐軍からはムラサメライガー(エヴェルト可)、ソードウルフ、ランスタッグ、レインボージャーク、デッドリーコング、バンブリアン、ソウルタイガー(これに加えてムラサメとコング以外のパワーアップパーツ装備版が存在)。ディガルドからバイオヴォルケーノ、バイオトリケラ、バイオケントロ、バイオプテラ、バイオティラノが登場しています。
 ユニット数が限定されていますのでスパロボKに登場した。ブラストルタイガー、モルガキャノリー、バイオラプター&グイなどは登場しません。それでもソフト内の参戦ユニットとしてはかなり多目の数になっています。
 登場キャラクターも上記ゾイドに搭乗しているキャラクターのみで、他のキャラは登場しません。

 ゾイド系の弱点のお約束として陸上では強力な反面、宇宙と海に極端に弱いことが挙げられます。今作では地形がランダムだったり、地形変換能力のあるユニットが存在します。そのため、ゾイドのみで小隊を組んでいると宇宙に放り出されたり、海に引きずりこまれた瞬間、投了になることが多いと思います(一応、ランスタッグで地形変換を阻止したり、バイオプテラで地形変換をリセットできるものの、ランダム地形で最初から苦手地形や先に相手に地形ロックされるとどうしようもない)。

 強さの点で見るとバイオゾイドが目立ちました。スパロボKの時は頑丈さの感じられなかったバイオ装甲ですが、改造やレベルが存在しない本作で常時軽減するバイオ装甲のような能力は非常に厄介です。リーオ武器以外では無条件で軽減するのでポイント消費の激しい大技や「熱血」などを掛けない限り、まともなダメージがなかなか入りません。

本作の利点としてスパロボKでは使用できなかったディガルドゾイドを自由に操れること、スパロボKには登場しなかった作品と小隊を組んだり戦うことができることなどの利点が挙げられますが、本サイトで紹介しているゲームの中では最もゾイドの存在価値が限りなく低いゲームですので、ご了承ください。異色作で短時間ではありましたが、それなりには楽しめたのでオススメ度は☆ではなく☆☆としておきます。

 ちなみに特典のトランプのゾイド絵柄は、ハートの8にレ・ミィのスパロボカットイン絵柄、クローバーの9にコトナ・エレガンスのスパロボカットイン絵柄、ダイヤの7にムラサメライガーの本作パッケージ絵柄、ジョーカーの右下に同じくムラサメのパッケージ絵柄が印刷されています。


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